当たり前のことですが、食事、運動、睡眠などがバランスよく、十分にとれている方は、生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症、痛風など)および肥満や喫煙の悪い習慣に陥りにくいと思います。

 これまで日本人のビジネスマンは、会社や仕事のために家庭や自分の健康を顧みず、一生懸命に働いてストレスを多大にため込み、その発散のためにお酒やたばこが必須アイテムのように使われていました。そして悲鳴を上げる体にむちを打ち、薬などで症状をごまかしながらボロボロになって出世していく。仕事のために体を壊すことは名誉の負傷のように扱われ、お偉いさん同士の会話では自分の病気の自慢話まで出てきてしまう…。

 何となく、日本人では理解できるような内容ですが、最近、出世はされたものの、50から60歳になると、がんに罹患(りかん)されたり、うつ病・うつ状態に陥り、長期療養生活を強いられる悲惨な運命をたどる人を比較的多く見掛けます。

 しかし、これは米国人には全く理解できない内容のようです。米国には終身雇用制度がないため、自分の体に問題が起こり、長期間会社に空白をつくってしまえば、その時点で解雇されてしまいます。ビジネスマンは、普段以上に自己管理をして健康に配慮しなければなりません。そうしなければ、出世の道は閉ざされてしまうのです。

 米国では肥満の人も自己管理ができないと判断され、出世できないとのこと。考えてみると、自己管理ができない人たちに、部下や会社の管理ができるのでしょうか? そのように米国ではとらえられているようです。「自己管理欠陥症」というきつい名前の概念ですが、逆に自己管理をしっかり行えば克服できる病気であると思います。

 「自己管理の重要性」を今までの意識とは違う角度から見直していくことも重要ではないでしょうか。(佐賀大学保健管理センター長・精神保健指定医 佐藤武)

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