在来線特急と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」で2022年度に暫定開業する九州新幹線長崎ルートに関し、佐賀新聞社が実施した県民世論調査で、今後の在り方について「リレー方式のままでいい」との回答が最多の31・2%を占めた。「全線フル規格での整備に見直すべき」は20・0%にとどまるなど新たな財政負担には慎重な傾向が表れた。実現性のめどが立たないフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)を導入する現行計画の継続を求める人は前回調査から大幅に減少した。

 長崎ルートを巡っては、導入予定のFGTの開発遅れを受け、JR九州が7月にFGTの導入断念を表明した。整備方針を決める与党プロジェクトチームの検討委員会は現行計画を見直し、全線フル規格化や在来線のレール幅を広げるミニ新幹線を含めた議論を開始している。

 調査では、リレー方式の継続と全線フル規格化の回答が昨年の前回よりそれぞれ5・4ポイント、3・3ポイント下がった。「計画通りFGTを導入すべき」は前回比8・9ポイント減の14・1%になった一方、今回から選択肢に加わった「ミニ新幹線に見直す」は12・3%に上った。「分からない」とする回答も前回より6・6ポイント増の18・9%だった。

 地域別では、開業による時間短縮効果が低い鳥栖市や佐賀市などの沿線地域や、沿線から離れた市郡でもリレー方式の継続を求める傾向になった。新幹線の沿線自治体では、武雄市は全線フル規格化が最多の33・3%となり、嬉野市はFGTの堅持が半数近くの45・5%を占めた。

 県は全線フル規格化の場合に追加負担が800億円に上ることを示している。山口祥義知事は調査結果に対し、「フル規格化は財政負担があまりに巨額で他にほとんど何もできなくなり、想定はできない。分かりやすい言葉で今の状況を伝え、できる限り行政と県民が意見交換をしやすくしたい」と話した。

 県民世論調査は11月3~5日に実施し、619人から回答を得た。

このエントリーをはてなブックマークに追加