佐賀県内で住宅の耐震診断を促す補助制度の利用が計画を大幅に下回っていることが16日、県議会決算特別委員会で報告された。熊本地震を受けて診断費用の自己負担を軽減したが、昨年度は目標の200件に対して実績は40件にとどまった。「地震の少ない県」の印象から住民の耐震化への意識が高まりにくい実情が浮かび上がった。

 建築住宅課によると、耐震診断の補助制度は1981年以前の旧耐震基準の住宅を対象に、国や県の補助を受けて市町が実施している。利用者の自己負担はこれまで総額の3分の1だったが、県は昨年9月の補正予算で6分の1に引き下げるための事業費を計上し、金額は1万~1万5千円となった。

 利用目標は2018年度までの3年間で2300件とし、うち本年度中に昨年度の200件を含めて900件と設定した。昨年度は補助制度の実施が佐賀市や唐津市など9市町で、目標達成度は2割だった。本年度は全市町に拡大したものの、10月末までで約80件にとどまっている。補助引き上げ前の15年度までの8年間は計16件だった。

 総務省の直近の住宅・土地統計調査(13年)では、県内の住宅の耐震化率は74%で、全国平均82%を下回る。県は利用増のため、建築士会や自治会と連携しながら古い住宅の多い地域への戸別訪問や出前講座を実施し、住民の相談体制の充実も図る。

 決算特別委で永田弘建築住宅課長は「県ではこれまで大きな地震が少なくて熊本地震でも住宅倒壊などの被害がなく、地震対策への意識はまだ低い。災害被害を軽減するために、市町と連携して着実に耐震化を促進したい」と述べた。

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