最近はどこも人手が足りないらしい。ファミリーレストランが24時間営業を取りやめたり、宅配業者が値上げに踏み切ったり、私たちの暮らしにも影響が出始めている◆県内でも9月の有効求人倍率は1・29倍で、調査を始めた1963年以来、過去最高を記録した。それも3カ月連続の更新で、特に製造業や医療・福祉関係で人手が足りない。やはり景気がいいのかと思っていたら、経済アナリストの中原圭介さんが「有効求人倍率の改善は『景気が良くなった』ことを意味しない」と経済誌で指摘していた◆現在の人手不足は「少子高齢化に伴う労働力人口の減少」が最大の原因。生産年齢人口(15歳~64歳)が、2012年を境に一気に減った。団塊世代の大量退職である。景気はどうあれ、時が来れば人手不足に陥る構造だったわけだ◆アベノミクス効果ではなく、いびつな人口ピラミッドによる“マジック”である。「『有効求人倍率の上昇』と『景気の良し悪し』とは、切り離して検証する必要があるということです」と中原さん◆日本を覆う「猫の手も借りたい」忙しさに、ある自動車メーカーのCMを思い出す。製造ラインのスタッフがかわいいネコで、「ニャンてことだ!」-。断っておくが、人手不足のあまり不正検査に手を染めたという、あのメーカーではない。念のため。(史)

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