昨年9月、体が不自由だった妻=当時(71)=を鹿島市の自宅で殺害したとして、殺人罪に問われた無職江口末秋被告(71)=同市納富分=の裁判員裁判の論告求刑公判が15日、佐賀地裁(吉井広幸裁判長)で開かれた。検察側は「一方的で身勝手な犯行」として懲役5年を求刑、弁護側は「23年間、献身的な介護を続けてきた」として減刑と執行猶予付きの判決を求めた。判決言い渡しは20日。

 殺害に絡む妻の承諾の有無や、江口被告の責任能力の程度が争点になった。

 検察側は論告で「障害がある妻は抵抗したくてもできず、承諾したとは到底考えられない」と指摘した。精神鑑定をした医師が当時の被告を「適応障害」と診断した点は「責任能力とは別問題」と強調。犯行時にICレコーダーで録音して証拠を残したことや、首つりや川への飛び込みで自殺を図った点を挙げ「一貫して心中する目的のために行動し、善悪を判断する能力はあった」と主張した。

 弁護側は最終弁論で「妻には抵抗した痕跡がなく、死を受け入れる心境にあった。被告は精神疾患の影響により、判断が難しくなっていた」と主張した。長年にわたる介護疲れが根底にあったと述べ、寛大な処分を求める嘆願書が鹿島市内を中心に1445人分集まったことも訴えた。

このエントリーをはてなブックマークに追加