来年4月のシステム稼働に向け、準備を進める木村情報技術のスタッフ=東京都中央区の同社東京支店

 木村情報技術(佐賀市、木村隆夫社長)は、人工知能(AI)を使ったコールセンター支援システムを開発し、製薬大手の第一三共(東京都)に納入する。医師からの問い合わせ内容を音声で認識し、応対するオペレーターのパソコンに模範となる回答例を示す。同システムの採用は第一三共が初めてで、来年4月の稼働を目指している。

 オペレーターが質問内容を復唱すると、AIが音声を認識して質問の意味や意図を解釈する。パソコンには回答例だけでなく、関連情報も提示する。第一三共が扱っている約300種類の医薬品情報をAIに学習させ、効能や副作用、併用禁止の薬品など多様な問い合わせに対応、業務の効率化につなげる。

 システムは、米IBMが開発したAI「ワトソン」を活用し、昨年11月から開発を進めてきた。脳卒中などを防ぐ抗凝固剤に関する質問にAIが的確に答えられるか実証実験を行い、第一三共が求める回答レベルに達した。

 木村情報技術は医療分野のITシステム開発で業績を伸ばしており、医薬情報提供者(MR)や薬学部出身者ら専門知識を持った社員もそろう。広報担当者は「確かな知識に基づくシステム構築で信用を得ることができた。資料を調べる手間が省け、より複雑な質問に力を注いでもらえる」と話す。

 支援システムは自動車や食品メーカーなどのコールセンターにも応用できるとし、2018年6月期はAI事業で10億円の売上高を目指す。

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