市民団体が「辰野金吾の名を冠した別称を」と署名活動を始めた旧唐津銀行本店=唐津市本町

署名活動を始めた「唐津赤レンガの会」の田中会長(右から2人目)とメンバー=旧唐津銀行本店

 唐津市本町にある県重要文化財の「旧唐津銀行本店」に、建築家辰野金吾を冠した別称を付けようと、市民が署名活動を始めた。唐津出身の辰野は日本の近代建築の礎を築き、旧唐津銀行も辰野の監修による。「辰野金吾資料館」など別称を加えることで、“日本近代建築の聖地・唐津”をアピールしたい考えだ。

 署名は旧唐津銀行を拠点としたまちづくりや辰野を顕彰する活動を続けている「唐津赤レンガの会」(田中勝会長)が進めている。建物を所有する市に、(1)「辰野金吾資料館」を旧唐津銀行内に設置(2)旧唐津銀行とは別に、全国に発信できる名称-を求め、来年1月末まで市内外に協力を呼び掛けていく。

 旧唐津銀行は辰野に師事した清水組(現清水建設)の田中実が設計を担当し、1912(明治45)年に完成。97年まで佐賀銀行唐津支店として現役だった。現在の名称は文化財上は「旧唐津銀行本店」、市の条例上は「唐津市旧唐津銀行」。現状でも2階が辰野らを顕彰する展示スペースになっているが、資料が充実しているとは言い難い。

 辰野が設計した建物は、東京駅や大阪市中央公会堂など全国に現存し、各地で大切にされている。一方、地元・唐津では、現在の市役所の場所にあった唐津小学校を設計しているが現存せず、旧唐津銀行は監修という形だが、辰野が関わった現存の建物としては唯一の存在となっている。

 唐津は辰野とともに明治期に活躍した建築家の曽禰達蔵らも輩出した。田中会長(69)は「旧唐津銀行の名称を否定するものではない。今、唐津はアニメファンが聖地巡礼しているが、日本近代建築の聖地として全国に発信するため、辰野の名前を看板にしたい」と熱弁を振るう。

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