試験飛行する在沖縄米軍のオスプレイ。今後の重要課題の判断が注目される=2016年11月8日、佐賀市川副町

 佐賀新聞社が実施した「県民世論調査」(11月3~5日)で、山口祥義知事の県政運営について、「評価する」「どちらかと言えば評価する」は合わせて71・6%だった。2年連続の上昇で、県民の評価は高いといえるが、佐賀空港へのオスプレイ配備計画をはじめ、これから判断を下す重要課題が残っている。どう道筋をつけていくか、手腕が試される1期目締めくくりの1年になる。

 この調査は年に1回実施しており、今回が26回目。「県政に満足しているか」「力を入れてほしい分野は?」など毎回同じ設問に加え、オスプレイや原発など、その時々の重要課題について尋ねている。県政運営に関する継続した調査はほかになく、県民の意識を推し量る貴重なデータである。

 山口知事の県政運営について、この3年間の調査結果をみると、「評価する」は2015年が17・3%、16年が13・3%、今年が14・9%だった。「どちらかと言えば評価する」は47・2%、56・8%、56・7%と推移しており、二つを合わせた「プラス評価」は64・5%、70・1%、71・6%と高い数値を保っている。

 評価する理由は「行動力がある」「親しみが持てる」がそれぞれ3割近く挙がった一方、「政策に期待が持てる」「オスプレイ配備計画への対応」「原発問題対応」はいずれも1割に満たなかった。具体的な政策や実績が評価されたというよりは、知事の人柄や政治姿勢が好印象を得ているとみられ、今後の重要な政策判断が真の評価につながる。

 オスプレイ配備については、賛成が前回比4・3ポイント減の25・5%、反対が4・9ポイント増の37・6%だった。沖縄県名護市沖での事故をはじめ、国内外で事故やトラブルが相次いだ影響が表れたとみられるが、前回に続いて「どちらとも言えない」が3分の1以上を占めた。計画が佐賀県に打診されて3年余りになるが、調査結果からは、県民の多くが依然として判断に迷っている状況もうかがえる。

 賛否が分かれたり、判断に迷ったりする課題では、どんな結論を出したとしても不満の声が上がるだろう。それはやむを得ないことではあるが、だからこそ結論に至るまでの過程が大切になる。山口知事は就任時から、プロセスを大切にする姿勢を強調してきた。まさに最終判断までのプロセスに県民の一定の理解が得られるかどうか、道筋のつけ方と説明責任の果たし方が問われる。

 オスプレイのほか、九州新幹線長崎ルートや原発など国策課題に対しては、国を構成する地方自治体として考慮することも必要だろうが、県の主体性が見えなければ不信感を招く。県民の側にしっかりと軸足を置き、重要課題に対処してもらいたい。(大隈知彦)

このエントリーをはてなブックマークに追加