シンポジウムで、有明海の漁業の現状を説明する漁業者ら=佐賀市天神のアバンセ

 国営諫早湾干拓事業と有明海の漁業をテーマにしたシンポジウムが9日夜、佐賀市で開かれた。佐賀、長崎両県の漁業者らが長さ約7キロの潮受け堤防の閉め切り後に深刻な漁業不振に陥ったことを報告し、改善策として堤防排水門の開門を訴えた。

 藤津郡太良町の漁業者の平方宣清さんは、タイラギ漁で以前は海に潜って1分間で100個を漁獲していたことを振り返り、「閉め切られてからは異常な赤潮が発生し、タイラギもいなくなった。後継者につなぐ海にするために有明海再生を訴えていく」と力を込めた。有明海の特徴になっている海中の泥の濁りが変化している状況も指摘した。

 諫早湾の漁業者の松永秀則さんは「国は干拓事業で漁業被害は2、3割と言っていたが、実際には9割になって漁業では生活できなくなった」と強調。2002年の短期開門調査で漁場が回復する効果があったことも説明した。

 有明海と諫早湾を40年以上撮影している写真家の中尾勘悟さん(鹿島市)も加わり、昔の漁の様子などを収めた作品を紹介した。シンポジウムは環境団体「有明海漁民・市民ネットワーク」が主催し、約70人が参加した。

このエントリーをはてなブックマークに追加