口元に笑みを浮かべたように彫られた明治時代の釈迦如来立像

多久市内の屋外にある石仏を一堂に紹介=多久市郷土資料館

 道端や屋外に点在する石仏を集めた「野の仏」展が、多久市多久町の市郷土資料館で開かれている。展示品では江戸時代から昭和初期にかけて石を彫って制作された如来像7体と菩薩像21体が紹介されている。26日まで。

 江戸時代、砥川(現・小城市牛津町)の石工の多くが多久領主に仕えていたため、市内には石製の神仏像が数多く残されている。今回は東多久町と西多久町から石仏を28体を選んで会場に並べている。

 東多久町の寺院にある、明治19(1886)年製作の釈迦如来立像は、口元に笑みを浮かばせ顔に表情を持たせている。藤井伸幸館長は「口角をわずかに上げるだけで笑みにも見える。ギリシャ彫刻のアルカイックスマイルに通じる造形が多久でもあった」と説明し「江戸時代は無表情な石仏が多いが、明治に入ると、作り手が、時代の雰囲気が変わったことで顔に表情を持たせようと工夫したのでは」と話し、表情豊かな石仏の鑑賞を呼び掛けている。

 「野の仏」展の問い合わせは市郷土資料館、電話0952(75)3002。

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