佐賀県唐津市の神集島(167世帯、336人)で離島振興の二つの交付金を巡り不透明な会計処理があるとして、一部島民が市に対応を求めている。受け入れ先の代表者となっている区長(65)側との食い違いもあり、市の担当課は「県とも協議しながら、双方に事実確認して対処したい」として調査を始める。

 島民が9日、市役所で記者会見を開いた。一つは県と市も負担する水産庁の「離島漁業再生支援交付金」で、神集島は2010年度から毎年500万~600万円前後を受けている。島民が入手した市提出の実績報告書の写しによると、大半はウニの種苗放流や外敵生物駆除などに支出。島民は「海岸清掃で日当が支払われたことになっている島民がいるが、少なくとも15人は日当をもらっていないし、領収印も押していない」と不正を訴えた。

 島民たちは「事業が始まることも知らされず、市にお願いして2年前に説明が一度あっただけ。話し合いもない」と主張。取材に対し、区長は「島民への説明や報告、お金の扱いは事務担当者に全て任せていた。実績報告書も見ていない。その担当者は『日当は全部払った』と話している」と説明した。

 もう一つは離島の特性を生かした事業を支援する県と市の「島づくり事業」で、神集島には05年度から年約150万円が交付されている。イノシシの駆除で購入した餌や道具の領収書が「区長の筆跡」であると島民が指摘した。区長は「親しい友人から購入し、私が書いた。偽造しているように思われても仕方がない」と自筆であることを認め、「物は買っており、着服はしてない」と話す。

 市の担当課は「筆跡までは確認していなかった。虚偽の申請なら返還を求めることになる」としている。

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