転写シールを貼る体験をするデザインスクールの参加者=嬉野市の肥前吉田焼窯元会館

副久製陶所の副島久洋社長(右)から、呉須の濃淡を生かしたシリーズ「GOSU」について説明を受ける参加者=嬉野市の副久製陶所

肥前吉田焼の窯元関係者から製品の特徴などを聞くデザインスクールの参加者=肥前吉田焼窯元会館

 嬉野市の肥前吉田焼の産地で新たな磁器製品のデザインを考える「肥前吉田焼デザインスクール」が6~8日にあった。磁器に限らないデザイナーや卸業関係者など多分野から参加した15人が、7窯元と直接やり取りしながら商品企画を考えることで、窯元関係者にとってもデザイナーへの対応力を磨く狙いがある。

 

 昨年実施した肥前吉田焼デザインコンペに続く、産地再生や人材育成、知名度向上を目指す企画。コンペで商品開発のアドバイザーを務めた県窯業技術センターの浜野貴晴外部アドバイザー(46)が窯元協同組合と企画した。法政大デザイン工学部の安積伸教授、市内の窯元「224porcelain」でデザイナーとして活躍する五島史士さんと馬渕晃さんの3人が講師役を務めた。

 参加者は陶土、生地、窯元と磁器産業を支える各業者を見学。いっちん、だみ、かき落としなど、窯元ごとに異なる技術特性も体験を通じて学び、窯元や講師の助言を受けながら製品企画を考えた。参加者からはさまざまな器のほか、アクセサリーやおもちゃなども提案された。

 浜野さんは「窯元もデザイナーでは使う言葉が違い、製品を作る上できちんとコミュニケーションが取れない窯元も多い。そのスキルアップの機会にしたい」と語り、「デザイナーにとっても、磁器は製造工程を体験する機会が少ないからこそ、産地に入る意味があるジャンル」と意義を強調した。

 参加者は「製造の流れをトータルで知ることができた」「自由度の高いいっちんの技術は応用すればできることが多そう」などと感想を述べた。ある窯元関係者は「産地再生はトライアンドエラー。小さい産地なので、敷居を低くし若いクリエイターがチャレンジしやすいという魅力を育てていきたい」と産地の将来像を語った。

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