多くの客に親しまれてきた「停車場うどん」=佐賀市高木瀬東

 佐賀県佐賀市高木瀬東の「停車場うどん」が、12日の営業を最後に閉店する。先代から店を継ぎ、二人三脚で切り盛りしてきた夫婦の高齢化が理由。1976年、開通後間もない北部バイパス(国道34号)沿いに看板を掲げ、14年前に今の場所に移って41年。「停車場」の名の通り、やわらかな自家製麺と優しい口当たりのだしに引かれ、多くの常連客たちが通ってきた。

 店主の森田史朗さん(70)と妻の七重さん(66)が店を継いだのは、創業から5年後。同市開成に店を構えた七重さんの姉から譲り受けた。史朗さんが麺の製造とゆで上げ、七重さんが具材とだしの調理、接客を担ってきた。自慢のだしは化学調味料を一切使わず、「子供にも安心して食べさせられる」と評判だった。

 創業したのは、線路の高架化で佐賀駅が現在地に移転した時期に重なる。「駅のように多くの人が集まる場所に」との思いを込めて「停車場」と名付けた。

 当時は周辺の宅地造成が活発で、マイホームを手に入れた若い家族連れでにぎわった。移転後もサラリーマンや常連客が絶えなかったが、車社会の進展に伴って郊外型の外食チェーンが相次いで進出。競争も激しくなった。

 閉店を聞きつけた客からは「寂しか」「行き場がなくなる」と惜しむ声が寄せられ、県外から訪れるかつてのなじみ客もいる。七重さんは「3世代で通ってくれた客もいる。本当に多くの皆さんに支えられてきた」と感謝する。

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