堤防の未整備区間から水があふれ、住宅などに浸水被害が出た雄物川=7月(国交省東北地方整備局提供)

 豪雨に伴う洪水を防ぐため堤防をかさ上げしたり、川幅を広げたりする国土交通省の事業を会計検査院が調べた結果、未整備区間が残っているため十分な効果が見込めない場所が11道県で24カ所あることが8日分かった。実際、未整備部分から水があふれ、被害が生じた地域もあった。

 地権者や周辺住民の理解が得られなかったり、幹線道路と交差するため工事が難しかったりすることが主な原因で、検査院は交渉・対策を急ぐよう要求。国交省は「調整を引き続き進め、地域の安全の向上に努める」としている。

 検査院は2012~16年度の国の直轄事業、地方自治体が国から補助金を受け取って行う補助事業の対象である計857河川の状況を調べた。その結果、未整備区間で堤防の高さが予想水位を下回っている場所が佐賀県の巨勢川(1カ所)、浜川(1カ所)など12河川で14カ所あった。

 このうち国交省東北地方整備局湯沢河川国道事務所が工事を担った秋田県大仙市の雄物川では、堤防予定地にある事業所の移転先が決まらなかったことから未整備の区間が430メートル残り、07、11、17年度には実際に水が堤防を越え、住宅や農地が浸水した。

 また、堤防の整備予定地に橋があれば、堤防の整備と同時に橋も高くしたり延ばしたりする必要がある。しかし主にコスト面で鉄道会社などの橋の管理者と歩調が合わず、10カ所の橋で対応が後手に回っていた。【共同】

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