国営諫早湾干拓事業の開門問題を巡り、斎藤健農相が13日に佐賀、長崎両県を訪問することで調整していることが7日、分かった。9月中旬に有明海を船に乗って視察する予定だったが、台風18号の接近に伴って見送られていた。国が4月に開門しない方針を明らかにして以降、農相の来県は初めて。

 佐賀県の山口祥義知事は8月下旬、新しく就任した斎藤農相宛てで「一緒に船に乗って漁業者と同じ目線で有明海の現状を感じてほしい」などとする要請書を提出していた。9月17日の訪問見送り後、衆院の解散総選挙を経て斎藤農相は再任していた。

 佐賀県の訪問は有明海の船からの視察や漁業者との意見交換を行う方向で調整している。長崎県では干拓地を視察する方針。

 国に開門を命じた2010年の福岡高裁判決が確定した後、歴代の農相は現地視察の際に開門を求める訴訟の原告の漁業者や弁護団とも意見交換してきたが、今回はスケジュールが取れずに協議の場を設定しない見通しという。(取材班)

 

■漁業衰退、海再生考える 9日に環境団体シンポ

 

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門の開門を求めている環境団体が9日午後7時から、シンポジウム「諫早湾干拓がもたらした有明海漁業の衰退」を佐賀市天神のアバンセで開く。研究者の講演や漁業者の討議を通じて干潟の保全や有明海の再生について考える。

 干拓事業によって日本最大だった諫早湾の干潟が消滅した影響や有明海の生態系の異変、開門問題の現状などを解説する。諫早湾と佐賀県西部の漁業者や有明海の写真家も登壇し、漁業や環境をテーマに語り合う。

 アジア湿地シンポジウムが7~11日、佐賀市で開催されるのに合わせ、諫早湾や有明海の環境問題の関心を高めようと漁業者や支援者、科学者でつくる「有明海漁民・市民ネットワーク」が企画した。

 当日参加可能で、参加費は資料代として500円。問い合わせはメールph@ariake‐gyomin.netで受け付ける。

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