有明海の干潟の状況や取り組みを報告したアジア湿地シンポジウム=佐賀市のグランデはがくれ

 湿地の保全や利用の取り組みを論議する「第8回アジア湿地シンポジウム」(環境省など主催)が7日、佐賀市で始まった。アジアを中心に約20カ国の研究者や活動団体メンバーなど約350人が参加し、初日は有明海の生物や環境異変について沿岸地域の研究者らが発表し「豊かな有明海を保全しよう」と提言した。意見交換や干潟視察を経て「佐賀宣言」を採択する。11日まで。国内開催は25年ぶり2回目。

 佐賀大学の速水祐一准教授は、有明海の環境をテーマに発表した。二枚貝のタイラギ漁が5季連続で休漁していることなど、漁獲量の変化から有明海の環境に異変が起きていることを指摘した。国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防が異変の原因だと感じている漁業者が多く、社会問題化していることなどを報告した。「これだけの生物が見られる干潟は国内にない。環境悪化だけを見るのではなく、豊かさを認識して守るために努力すべきだ」と訴えた。

 熊本大、長崎大の研究者のほか日本野鳥の会佐賀支部など有明海関係で研究、活動する団体も登壇した。佐賀、鹿島、荒尾、順天(韓国)の市長らによる取り組みの報告もあり、ラムサール条約に登録された干潟の保全と賢明な利用に関して意見を交わした。

 東よか干潟(佐賀市)と肥前鹿島干潟(鹿島市)が2015年にラムサール条約に登録されたことなどを受け、佐賀市で開催された。最終日の11日は、午前10時から東与賀文化ホールで佐賀市出身の女優中越典子さん、テノール歌手の宇都宮直高さんによるトークショーがある。参加無料。

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