リーグ戦での躍進が期待される久光製薬スプリングス。10月の愛媛国体でも5年ぶりの優勝を飾った=愛媛県の伊方スポーツセンター

 バレーボールの国内最高峰プレミアリーグが開幕し、鳥栖市をホームタウンとする久光製薬スプリングスの新たな戦いが始まった。昨季準優勝のチームには米国代表のアキンラデウォ選手が新加入。若手の成長も目覚ましく、開幕5連勝と最高の滑り出しを見せている。リーグ戦は来年3月までの長丁場。2年ぶりの王座奪還を目指して奮闘している選手たちを、県を挙げた応援で後押ししたい。

 「正直こんなに点差を広げて勝てると思っていなかった。驚いている」。10月21日の開幕戦。昨季決勝で苦杯を喫したNECを3-0のストレートで下し、酒井新悟監督は率直な感想を語った。勢いに乗ったチームはJT、デンソーなどを連破して5連勝。粘り強いサーブレシーブ、多彩な攻撃が際立っている。

 久光製薬は創業170周年で、バレーボール部は戦後間もない1948年に誕生した。転機の一つは2000年。ダイエー(当時)の関連会社が運営していたオレンジアタッカーズのスポンサーになった。景気低迷で実業団チームの休部や廃部が相次ぐ中、名門チームとの統合に翌年踏み切ったのは企業のスポーツ文化を守りたいとの思いがあってのことだろう。

 チームは会社とともに大きく成長した。リーグ戦はここ5年で優勝3回、準優勝2回。12年から監督を務めた中田久美氏が常勝軍団に育て上げ、中田氏が日本代表監督に内定した昨秋以降は酒井監督が力強く引っ張っている。

 日本バレーボールリーグ機構は、新リーグ「スーパーリーグ」構想を打ち出し、18年秋の開幕を目指して準備を進めている。これまで機構と各都道府県協会が持っていた試合の開催権を本拠地チームに譲渡し、地域密着につなげることなどが狙い。久光製薬は6月、新リーグへの移行も見据え、スプリングスの活動を通じた地域の活性化を目的とした連携協定を佐賀県と結んでいる。

 チームはこの夏、佐賀市や嬉野市で強化合宿を組み、子ども向けの教室を開いた。久光製薬協賛の県ママさんバレーボール大会も盛況のうちに5日終了したが、同社とチームはこうした取り組みを長年続けており、地域に愛されるチームづくりの姿勢をあらためて示したということだろう。

 チームは2020年の東京五輪に向けた選手輩出という大きな役割も担う。9月のワールドグランドチャンピオンズカップには長岡望悠、石井優希、新鍋理沙、野本梨佳、岩坂名奈の5選手が日本代表に選ばれた。チームへの期待は高まるばかりである。

 同じく鳥栖市に拠点を置くサッカー・J1サガン鳥栖がチーム誕生20周年で、スプリングスが70年。地域を元気づける存在であり続けてほしい。(杉原孝幸)

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