血液のがんのCT画像を全自動解析するシステムについて、会見で説明した木村晋也教授=佐賀市の佐賀大学本庄キャンパス

 血液のがんの一種「多発性骨髄腫」の患者をコンピューター断層撮影(CT)した画像を全自動で解析するシステムを、佐賀大学医学部とキヤノンなどが共同開発した。血液検査で判定する従来の手法と比べると医師の主観に左右されず、客観的で正確な病状の予測が可能になるという。英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に発表した。

 多発性骨髄腫は、抗体をつくって異物から体を守る血液細胞「形質細胞」ががん化し、増殖する病気。異物を攻撃する能力がない抗体をつくり続けるため腎機能が低下し、骨がもろくなるなどする。

 血液検査だけでは正確性に欠けるという指摘があり、佐賀大学医学部の西田有毅医師(38)がCTを使って骨髄内の変化を観察する手法を開発した。これに佐賀大とキヤノンが共同開発し、肺がんで効果を確認したCT画像の解析システムを取り入れ、腫瘍の量を自動計測することが可能になった。

 治療の難しい患者を見つけ出し、より有効な新薬への早期の切り替えを促す効果もあるという。

 会見した木村晋也教授(55)は「クラウド技術を利用することで世界中で解析結果のデータを共有することができ、グローバルに活用が期待できる」と話した。

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