一昔前の歯磨き粉のテレビCMといえば、ミント味やフルーツ味などの香りや、白くなる研磨性の高さなどが宣伝の中心でしたが、今日ではフッ化物配合による予防効果がPRされるようになり、フッ化物が虫歯の予防に役立つことは周知のこととなりました。

 しかしその配合濃度についてはあまり知られていないかもしれません。配合濃度の基準は国によって異なりますが、日本では長年1000ppmを上限と定められていました。

 しかし、今年3月に厚生労働省により1500ppmが上限と基準が引き上げられ、歯科界では大きな話題になりました。若年者だけでなく、成人や高齢者もフッ化物配合の歯磨きペーストを用いて生活習慣病予防を推進させたいということが目的と思われます。使用される場合、効果的な濃度や使用量については、ある程度の認識があると望ましいようです。

 従来の主な市販品を見ると、100ppm、500ppm、950ppmの3段階でしたが、今回の引き上げで1450ppmの市販品が加わり、4段階になりました。フッ化物配合の歯みがきペーストを選ぶ場合には、濃度だけでなく、ベトベトタイプかサラサラタイプかなど粘度の違いや、フッ素がフッ化ナトリウムなのかフッ化第一スズなのかなど化合物の違い、ペーストは酸性なのか中性なのかといったphの差などさまざまありますので、適したものを選ぶのは案外難しいように思われます。

 矯正歯科である私の医院では、矯正装置を装着している患者さんが多いので、一般の方を対象にしている厚生労働省の基準を参考にしつつ、患者さんごとの対応が必要になります。不正咬合(こうごう)のタイプ、年齢、装置の種類、虫歯のなりやすさなど考慮すると、推奨するペーストは異なり、案外頭を抱えてしまいます。

 もしフッ化物ペーストの選択に関心をお持ちでしたら、厚生労働省の生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルス」をご覧になって参考にされると良いでしょう。(すみ矯正歯科院長 隅康二)

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