障害のある人を対象にした就職面接会。多くの求職者が企業のブースを回った=佐賀市の県総合体育館

 2018年度からの障害者の法定雇用率引き上げを控え、佐賀県内の企業も対応に動き出している。障害がある人を対象に佐賀市で10月中旬に開かれた就職面接会では、人柄や特性を把握して働きやすい職場環境を整えようと、採用担当者らが求職者から要望を聞き取った。

 法定雇用率は企業や自治体などに義務づけられている障害者雇用の割合で、企業は現行の2・0%から2・2%に引き上げられる。現在は身体障害者と知的障害者が対象だが、来年4月から統合失調症など精神障害も加わり、対象者が増えるためで、従業員50人以上が対象になっている事業者の雇用義務も45・5人以上になる。

 国や地方自治体、独立行政法人の法定雇用率は2・5%、都道府県の教育委員会は2・4%となり、それぞれ0・2ポイント引き上げられる。厚生労働省は来年度以降の状況を見極め、21年3月末までにさらに0・1ポイントずつ引き上げる方針。

 10月の就職面接会には、企業50社、就職を希望する障害者173人が参加した。県北部の製造業の採用担当者は、来春40人以上が入社するため障害者雇用を増やす必要があるとし、「要望の多い事務職の人手は足りている。どういった仕事があればいいかを聞いて環境整備の参考にしている」と話した。

 佐賀労働局によると、障害者の雇用義務がある県内企業546社のうち、法定雇用率を達成している企業の割合は73・1%で全国トップ(昨年6月現在)。ただ、147社がまだ達成しておらず、精神障害者の雇用の割合は7・3%にとどまっている。

 一方、働く意欲のある障害者は年々増加し、16年度の有効求職者数は2412人。この10年間で1・4倍になった。就労機会の拡大が迫られる中、経営基盤が弱い中小企業には負担が重いといった意見もある。

 面接会に参加した特別支援学校の教諭は「障害者への理解が進み、農畜産業が中心だった以前に比べ、就職先は比較的広がってきた」と印象を語る。採用のミスマッチを防ぐためには「障害者が企業に合わせるのではなく、企業が障害の特性に合わせた仕事をつくり出してもらえたら」と話した。

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