戦没動員学徒の碑に献花する前田耕介さん(手前)ら=唐津東高中庭

 唐津東高校(唐津市鏡新開)の中庭にある石碑の前で10月29日、40代の卒業生たちが手を合わせた。太平洋戦争末期、学徒動員先で亡くなった旧制唐津中学校生徒3人の慰霊碑。高齢になった同級生たちの追悼の思いを後輩が受け継いだ。

集まったのは唐津鶴城同窓会東高第33期の代表幹事前田耕介さん(47)ら役員の9人。今年の全体同窓会の当番学年にあたり、同窓会長で市教育長の稲葉継雄さん(70)も同席した。

 戦没学徒として碑に刻まれているのは、1945年卒業予定だった旧制唐津中第46期生の3人。長崎県大村市の軍需工場に動員されていた44年10月25日、B29の爆撃に遭い、2人が死亡、1人は3カ月後に病死した。

 慰霊碑は同級生らが70年に建立。同校が唐津城横から現在地に移転した際も移設され、毎年10月の命日に追悼式を行ってきた。しかし同級生も今年で89歳。参加者は年々少なくなり、昨年で最後とする一方、同窓会に継承を打診していた。

 今後、同窓会の当番学年が追悼式を担当する方針で、橋渡しをした稲葉さんは「戦争を風化させないためにも、勉強に専念できる平和な世の中のありがたさをかみしめたい」と話す。

 継承第1期生となった前田さんは「(追悼式は)新聞で読んだことはあったが、正直、誰がなぜ亡くなったかは知らなかった。身近な戦争の悲劇を知る機会になった」と話し、碑前に献花した。 

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