ゴリラ研究の第一人者で、京都大学学長の山極寿一さんは「リーダーシップをゴリラの社会から学んだ」と言う。ゴリラのリーダーは、魅力で引きつけ、仲間から担ぎ上げられてなるもの。全てのメスや子どもの性格をきちんと心得た上で、必要な気配りを求められる◆ネットワークの中に組み込まれていて、それを動かす原動力になる。「あれ、君がリーダーだったの?」と言われるぐらいでいい。戦いに勝つためにチームを引っ張り、その結果、目立つような存在はリーダーとは言えないのだそうだ。哲学者の鷲田清一さんとの対談で述べている(『都市と野生の思考』)◆人を押しのけるよりも、周りがうまく動くようにセッティングする。そんな人が求められる時代かもしれない。第98代首相に選出され、再び内閣のトップに立った安倍首相は、どうリーダーシップをとるのか注目である◆これまで内閣支持率の高さと選挙の強さで求心力を保ってきた。衆院選で大勝はしたが、野党分裂のたまものであり、支持率も40%台でぐずついたまま。「オレがオレが」と強引に事を運べば、「1強」もすぐ暗転しそうだ◆ゴリラとは対照的に、ニホンザルのリーダーは他者を力ずくで押さえつけるのだという。人間社会とは別物だろうが、さて国民は安倍さんに、どちらのタイプを望むだろう。(章)

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