連続テレビ小説「わろてんか」の主題歌で使われたギターを制作した合瀬潤一郎さん

 NHKの連続テレビ小説「わろてんか」のオープニングで流れる松たか子さんの「明日はどこから」。夫で日本屈指のギタリスト・佐橋佳幸さんが演奏する楽曲には、佐賀市大和町のギター職人・ベフニックの合瀬潤一郎さんが手作りしたアコースティックギターが使われている。楽曲の柔らかな雰囲気を支えるギターへの思いや制作秘話を2人が寄せてくれた。

 

 ■ギター職人・ベフニックの合瀬潤一郎さん

 音を聞いてどこのギターか分かるものではないけど、毎朝テレビをつけると思わず笑みがこぼれてしまい、楽曲を支える裏方として仕事の喜びを感じています。

 2年ほど前に、佐橋さんのお弟子さん・新井健さんから紹介していただき、佐橋さんのギターを制作することになりました。

 普段、堅めの音が出るギターを使われていたので、私が制作した時は、ボディーにアジアンマンゴーの木を使い、軽く柔らかい音が出るように工夫しました。

 今回のような大きな仕事をするときは、もっと高価なギターを使われると思いますが、あえてうちのギターを使ってもらったという喜びがあります。これまで積み重ねてきたギターへの信頼が形になったと思っています。

 ■ギタリスト・佐橋佳幸さん

 数年前、竹内まりやさんのライブで福岡を訪れた際に、当時スキマスイッチのサポートギタリストをやっていたまな弟子の新井くんから、「佐賀県でギタービルダーをやっている合瀬さんという方が楽屋を訪ねて行きますので」という連絡をもらい、何のことやら? と思っていたら、ギターを抱えた合瀬さんが現れました。

 初対面でぎこちないあいさつを交わすや否や、「サハシさんにぴったりのギターを作ったので、よかったらぜひ!」と、素晴らしい楽器をプレゼントされたのが、ベフニックとのお付き合いの始まりでした。

 その日からライブやレコーディングの現場で頻繁に使わせていただいており、僕がプロデュースした松たか子による、今秋スタートしたNHK朝ドラのテーマ曲でも、そのサウンドをお聴きいただくことができます。

 曲作りの段階からベフニックを抱えて編曲などあれこれ作業を進めていったこともあり、この楽曲のサウンドの要になっていると言えます。もう1本オーダーをお願いしたく、先日初めて工房にお邪魔して木材選びからプランニングさせていただいた時間は、今年の夏の忘れがたい思い出になりました。

 先日母から僕の曽祖母の墓が唐津にあることを聞き、そんなことも併せて、佐賀県と不思議なご縁が始まったことをうれしく思います。

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