タケちゃりで武雄市内を巡る台湾からの観光客

 武雄市観光協会のレンタル自転車「タケちゃり」の利用の65%を外国人観光客が占めている。背景には会員制交流サイト(SNS)による情報拡散があるようだ。佐賀県への外国人観光客数は著しく増えており、宿泊者数はこの5年で6倍になっている。インターネットをさらに活用してサービス向上と訪問者増につなげたい。

 観光協会のまとめによると、今年4~9月のタケちゃりの貸し出し台数は1044台で、2016年度1年間の1080台とほぼ同数。外国人観光客の利用が増えているのが特徴で、4~8月の統計では全体の65%に上り、前年同時期の39%から大きく伸びている。

 観光協会は背景にフェイスブックやインスタグラムなどのSNSで情報が広がっていることが考えられるという。貸出場所を訪れる外国人がスマートフォン片手に借りにくることや、SNSが活発な台湾からの利用者が多いことから推測している。本年度の外国人利用の国別ベスト5は(1)台湾333台(2)韓国135台(3)香港68台(4)中国21台(5)タイ5台だ。

 武雄では9月から、新たな外国人観光客向けのサービスも始まっている。観光施設や飲食店に用意されている2次元コードをスマートフォンやタブレット端末で読み込めば、メニューや価格、観光施設の案内などが自国語で表示される仕組みだ。福岡市の社団法人と連携した無料のサービスで、70余りの店や施設が参加。対応言語は英語、韓国語、中国語(中国本土と台湾の2種)で、年内には30カ国語ぐらいまで増えるという。

 サービスは外国人にも店にも好評だ。突然来店する外国人に困惑していた飲食店は「料理の簡単な内容も示せるし、注文と料金が一括表示されるので、言葉が話せなくてもいい」と話す。まだ認知度は低いが、参加店が増えて「歩きやすい町」の認識が広がれば、これもSNSで拡散されるだろう。

 佐賀県観光課がまとめた2016年の県内の外国人宿泊数は24万9640人。12年の4万960人から6倍になっている。この間、社会でのインターネットの利活用、スマートフォンの普及も進んだ。最近ブームになっている写真共有アプリ「インスタグラム」に見栄えのいい写真を投稿する「インスタ映え」は、旅行や食が好素材。観光面にこうしたツールを生かすことが欠かせなくなっている。

 インターネット活用と並行して、公衆無線LANサービス「WiFi」の無料スポット整備も進めたい。武雄市のサービスでは、無料WiFiがないため使わないケースがあるそうだ。観光地でのネット環境整備も不可欠になっている。ソフトとハードの両面に目を配り、外国人観光も視点に入れた観光振興を図りたい。(小野靖久)

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