講演する尾上克郎さん=佐賀市の佐賀新聞社

 佐賀県立美術館で開催中の「特撮のDNA展」に合わせ、「シン・ゴジラ」准監督の尾上克郎さんの講演会が28日、佐賀新聞社であった。「『シン・ゴジラ』に生きる特撮のDNA」と題し、世界の特撮の歴史をひもといた。

 尾上さんは、佐賀西高の同級生で映画監督の緒方明さんに誘われ、自主映画制作の世界に飛び込んだ。メタルヒーローシリーズや戦隊シリーズを手掛け、特撮のデジタル化にいち早く尽力。「死刑台のエレベーター」「進撃の巨人」など話題作も数多く携わってきた。

 尾上さんは、フランスのJ・メリエスによる「月世界旅行」から特撮の歴史が始まったと説明。円谷英二が4カ月の強行軍で撮影した「ゴジラ」は、「実際に戦争を体験した世代だからこそ、エキストラの逃げ方や描き方が緊迫したシーンになる」と臨場感あふれる演出について話した。

 また、「ハワイ・マレー沖海戦」(1942年)の特撮があまりにリアルだったため、戦後に記録映画と認定され、円谷が公職追放されてしまった逸話を紹介。自身が携わった「シン・ゴジラ」については、「特撮の原点に戻り、徹底的なリアリズムでいこうと思った。地獄のような取材量だった」と撮影の裏話も明かした。

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