多くの来場者が見守る中、熱気球世界選手権で大空へ一斉に飛び立つバルーン(2016年)

優勝争い 

藤田(栃木)注目、県内は上田

 「2017佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」では、第31回パシフィックカップ、第34回熱気球日本選手権、熱気球ホンダグランプリ第4戦の競技飛行が開催される。国内外から有力選手が集結し、高いレベルの戦いが期待できる。

 国内からは、世界ランク2位の藤田雄大(栃木)が注目だ。「海外遠征を繰り返していて、安定している」(中島丈晴バルーンフェスタ組織委員会広報チーフ)の言葉通り、正確なフライトが期待できる。昨年の世界選手権で、国内勢トップの8位に上り詰めた佐藤将史(茨城)も注目したい。

 海外勢では、昨年の熱気球ホンダグランプリを制したマシュー・スカイフ(オーストラリア・世界ランク13位)や、世界ランク11位で、昨年の熱気球ジュニア世界選手権優勝のロカス・コスティウスケヴィチウス(リトアニア)が有力視されている。ベテラン勢も楽しみだ。1997年に佐賀で開催した「第13回佐賀熱気球世界選手権」の王者、ディビッド・ベアフォード(イギリス)が4年ぶりに佐賀の空を舞う。オーエン・キオン(アメリカ)は、過去9回パシフィックカップを制している実力者だ。

 県勢からは16人が出場する。「非常に研究熱心な選手」(中島広報チーフ)という上田諭(佐賀市)。昨年の世界選手権で13位に入賞した実力者で、期待がかかる。”トリッキーな風が吹く”という佐賀大会。県内選手は地の利を生かせるか。

見どころ

風読み駆け引き 判断一瞬

 「マーカー」と呼ばれる小さな袋を投下し、マーカーとターゲットの距離で点数を競うバルーン競技。スピードや高さではなく、目標までどれだけ接近できるかを競う。風向きを見ながら高度を調整し、機体を正確に操る。競技飛行は、競技によって時間が決められているため、風を読む的確な状況判断が求められる。

 プロペラやかじが付いていないバルーン。パイロットは高度計や昇降計、GPS(地球測位システム)、選手によってはパソコンやタブレットを装備して戦う。バーナーを操作することで球皮内の温度を微調整しながら、高度を調節。上下の移動しかできないバルーンは、進みたい方向の風に乗ってターゲットを目指す。

 ゴール付近の地上風や他気球の情報提供を行う地上クルーとの連携も欠かせない。上空のパイロットに、正確な情報を送り続ける。

 基本的に穏やかな風が吹く佐賀会場だが、山あいから流れてくる風の影響を受けやすく、海外選手からは「トリッキーな風が吹く」といった声が寄せられるという。

 天候の影響を最も受けやすいスカイスポーツ。のんびりと漂っているように見えるが、気象データを参考にした”情報戦”が繰り広げられている。中島丈晴バルーンフェスタ組織委員会広報チーフは「地上付近の風や上空の風、どの風を使ってくるか空中での細かい風の読み合いが見もの。ターゲット付近の駆け引きにも注目してほしい」と呼び掛ける。

主な競技

■ミニマム・ディスタンス

 パイロットが一定時間飛行した後、離陸地内に設定したターゲットにマーカーを投下する。いかに空中で動かないかが見どころ。

■フライ・イン  
 競技本部がターゲット(嘉瀬川河川敷)を1カ所に定める。ゴールから一定以上離れた位置からターゲットを目指す。

■ヘジテーション・ワルツ
 競技本部がターゲットを複数指定し、そのうちの一つを選んでマーカーを投下する。

■ジャッジ・デクレアド・ゴール
 競技本部が指定したターゲット(通常、離陸地から4~6キロ離れた位置)の中心に向けてマーカーを投下する。

■パイロット・デクレアド・ゴール
 パイロットが離陸前に自身のゴールを決め、その地点に近づいてマーカーを投下する。風向き、風速の予測など多くの要素が試される難易度の高い競技。

 

【パシフィックカップ出場予定選手】

=県内=

 平野新朗(佐賀市)▽飯盛一保(同)▽石原十四郎(同)▽久保省子(同)▽沼田実(神埼市)於保直隆(佐賀市)▽坂口浩継(武雄市)▽正林幸洋(小城市)▽富永治(佐賀市)▽富澤三世(同)▽津田利通(同)▽辻将隆(同)▽上田諭(同)▽横松鈴菜(同)▽西川信英(同)▽西村公利(同)

=国内=

 片平史郎(愛知)▽赤間晋(神奈川)▽藤田雄大(栃木)▽福井譲二(神奈川)▽稲生睦夫(三重)▽井上剛志(東京)▽河田慎平(京都)▽児玉義実(栃木)▽倉橋朋子(愛知)▽松山保(同)▽宮田浩樹(同)▽水上孝雄(栃木)▽成瀬昇(愛知)▽西河恭倫(福岡)▽佐藤将史(茨城)▽真後理英子(神奈川)▽須江哲洋(長野)▽橘雄太(京都)▽高島工(茨城)▽辻井誠明(滋賀)▽山岸巧(三重)▽山中昇(茨城)▽山下太一朗(京都)▽田口善也(埼玉)

=海外=

 マシュー・スカイフ(オーストラリア)▽ヤン・ティマー(ベルギー)▽クリスチャン・カロースジャン(ブラジル)▽チャンリン・チェン(中国)▽ペン・チェン(同)▽ヤーノス・コネシュ(ハンガリー)▽ピーター・モルナール(同)▽ゾルタン・ネーメト(同)▽ジョンモク・ソ(韓国)▽カン・ソク(同)▽タダス・ゲゲビシウス(リトアニア)▽ロカス・コスティウスケヴィチウス(同)▽バジリー・ダビジク(ポーランド)▽ピーター・セルビンシク(スロバキア)▽マーク・ブラザー(スイス)▽ブンジーラ・ルアンプリダ(タイ)▽ディビッド・ベアフォード(イギリス)▽クリスピン・ウィリアムズ(同)▽クリス・ハンコック(アメリカ)▽オーエン・キオン(同)▽ジェ・リ(中国)▽ハロルド・クライバー(アメリカ)▽リチャード・パリー(イギリス)

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