杵島郡大町町にある認知症高齢者のグループホーム「ホームタナカ」に対する介護事業者の指定取り消し処分を巡り、施設側が処分の差し止めを求めた訴訟で、佐賀地裁(立川毅裁判長)は27日、「介護状況は不適切で、処分に裁量権の逸脱や乱用があったとは言えない」として請求を棄却した。

 杵藤地区広域市町村圏組合を相手に、処分の根拠となる虐待の有無などを争った。地裁は判決理由で、施設側が一部利用者への医療措置を怠り、ケアプランの作成義務違反や人員配置基準に反した運営もあったと認め、「利用者の生命や身体に危険が生じる恐れがあった」と判断した。

 判決はこのほか、組合と大町町に対する国家賠償請求も棄却した。介護給付費約2400万円の返還命令処分の取り消しを組合に求めた訴えは、約1960万円を超える部分については取り消すとした。

 指定取り消し処分を巡っては、効力停止を認める仮処分決定が2014年1月に出された。今回の判決で効力は失われる。施設側によると、ホームタナカには現在、入居者はいない。

 判決後、原告で施設の運営会社「シャロン」の池田博子社長は「(控訴するかどうかは)判決文を読んで検討したい」と話した。

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