大阪からUターンして実家の農業を継ぎ、「クリエーティブで楽しい」と現状を語った庄島英史さん=佐賀市のメートプラザ佐賀

 第62回JA佐賀県青年大会が19日、佐賀市で開かれた。「青年の主張」部門で最優秀賞を受賞した庄島英史さん(JAさが神埼地区青壮年部三瀬支部)の発表要旨を紹介する。

 【発表要旨】

 三瀬村で育ち、2年前に大阪からUターンして就農した。現在はピーマンを20アールほど作っている。

 故郷は農業には不利とされる地域で、田んぼは狭いが、のり面は広く、草刈りが大変。冬は雪かきが仕事ということも多々ある。それでも山奥で不便なことを誇りに思い、愛着を持っていたのは、親の生き方を見ていたからだ。

 父は60年間、農業一筋でトマトやイチゴの専業農家をしていた。遠方から指名買いされるほど質が高く、誇りに思っていた。いつか家業を継ぐと思っていたが、地域の大人たちは「農業はざっといかん」「農業だけではやっていけん時代だ」と言っていた。

 高校から佐賀市内で1人暮らしを始め、大学に進み大阪の企業に就職。25年間故郷を離れた。5年ほど前に父が病気になり、イチゴもやめてしまった。父の元気なうちにいろいろ教えてもらいたいと、実家で新たな人生をスタートさせる決意をした。

 20年間の社会人経験を生かし、効率化を最大のテーマに取り組んでいる。キーワードは「仮説検証」「日々の改善」「インターネットの情報活用」だ。

 例えば、畝ごとに実験して収量を記録し、シルバーマルチと黒マルチの差など結果を「見える化」することで、費用対効果がはっきりする。

 細かい改善を積み重ねると大きな差にもなる。4~5時間かかる作業も、1回当たり0・2秒縮めれば約40分短縮できる。カッパや台車もひと工夫することで、炎天下や雨の中でも快適に作業できるようになる。

 こういうことをしていると、農業はクリエーティブでとても楽しいと感じる。会社員の方がよっぽど「ざっといかん」。実家に帰るのをためらっている人が、仕事を辞めて農業をしてもいいんだという風潮になればと思う。

 そう思うのも、村の人口や青年部の人数が減っているから。青年部活動を通じて地域とのつながりを深く意識するきっかけになり、自分たちが地域活性化の鍵を握っていると思うようになった。自分がもうかって仲間を増やし、増えた仲間にも成功してもらいたい。「農業はざっといかんことはない。楽しくてもうかる」と言っていきたい。

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