シンポジウム「鳥栖のチカラ」で意見交換するパネリスト=鳥栖市のサンメッセ鳥栖

 来年3月に開幕する「肥前さが幕末維新博覧会」のプレシンポジウム「幕末・維新 鳥栖のチカラ」が22日、鳥栖市のサンメッセ鳥栖であった。講演やパネルディスカッションで鉄道を軸に発展してきた経緯を振り返り、観光をプラスした世界に開かれた地域づくりを提言した。

 中村好明日本インバウンド連合会理事長と老川(おいかわ)慶喜(よしのぶ)立教大学名誉教授が基調講演した。“インバウンドの伝道師”の肩書きを持つ中村氏は、世界の観光客を佐賀、鳥栖に呼ぶという視点から鳥栖のポテンシャルの高さを強調した。

 シンポでは鉄道好きで知られる俳優の石原良純(よしずみ)氏を交えた5人で意見交換し、最初に藤瀬禎博(よしひろ)鳥栖郷土研究会長が明治時代の鉄道建設に尽力した郷土の偉人、八坂(やさか)甚八(じんぱち)の功績などを紹介した。石原氏が「日本の今後の人口減少は『黒船』以来の危機」と問題提起すると、中村氏は「一般的に恵まれた地域は危機意識がない。佐賀藩が幕末に活躍できたのは1808年のフェートン号事件を機に、60年かけて準備をしてきたからだ。余力のあるうちに未来を考え行動していくことが大切だ」と応じた。

 老川氏は埼玉県さいたま市が鉄道博物館の誘致活動を通して市民が一つになっていった例を紹介し、「鉄道のまちとしての歴史が背景にあった。観光は自分たちのまちについてのアイデンティティーを育み、地域の良さを浮き彫りにしていく効果がある」と話した。

 最後に、コーディネーターの高尾平良(ひらよし)鳥栖市文化財保護審議会長が「地元への誇り、地元のことを知ることから始めていこう」と締めくくった。

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