長時間労働が及ぼすメンタルヘルスへの影響について話す山本勲慶応義塾大教授=佐賀市のメートプラザ佐賀

 佐賀県内の企業や労働組合の代表者、夫を過労死で亡くした女性が22日、佐賀市で開かれた過労死対策シンポジウム(佐賀労働局主催)で意見を交わした。長時間労働が及ぼすメンタルヘルス(心の健康)への影響も踏まえ、大学教授や会場の市民約50人と共に、望ましい職場環境や働き方を考えた。

 厚生労働省の安全衛生優良企業に選ばれた精密化学品製造のJSRマイクロ九州(佐賀市)は、残業の発生要因を把握し、毎月の担当者会議で削減策を検討・実践している取り組みを紹介した。昨年の有給休暇取得率は9割を超え、「社員の健康増進や離職対策、人材の確保にもつながる」と効果を語った。

 過労死遺族の女性は「夫は会社に尽くすことで家族の生活が良くなると考えていた」と振り返り、「会社全体で休みが取れる仕組みを考えなければ過労死は減らない」と訴えた。

 慶應義塾大の山本勲教授(労働経済学)は基調講演で、売り上げに占める利益が低い企業ほど社員のメンタルヘルスが悪化する傾向にあると説明。「職場や働き方に共通の問題があり、売り上げにつながらない不要な仕事は減らすべきだ」と指摘した。

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