22日投開票された衆院選は自民、公明が3分の2超の議席を確保した。佐賀県内では小選挙区で自民が議席を失う波乱が起き、野党分裂の影響も及んだ。県内の5政党幹部に選挙結果の受け止めを聞いた。

■自民 留守茂幸県連会長 国政課題に政権批判

 県内には佐賀空港への自衛隊オスプレイ配備計画、原発、有明海再生、新幹線の大きな国政課題があり、先行きが見通せない政権への批判があった。県農政協議会が自主投票になるなど組織の縛りがなかったことで、一定数の保守票が逃げたことも敗因の一つだ。

 本人の後援会組織が不十分だったことに加え、事務所のスタッフ、県連全体も含めて日常活動が足りなかったのだろう。

 心掛けてはいるが、もう少し有権者目線の活動が必要なのかもしれない。このままなら今後も厳しい戦いが続くことになる。政権与党の一員として、選挙区で敗れたダメージは大きい。組織の立て直しなど、一から出直す気持ちで県連一丸で取り組んでいく。

■民進 中村哲治県連代表 不満に選択肢を提示

 県内2選挙区とも推薦候補が当選を果たし、最大の成果を県民に与えてもらった。安倍政権に不満を持つ有権者に対して選択肢を提示できたのが一番の要因と考える。2人は無所属と希望に分かれたが、結果的には最善の選択となった。連合佐賀からも最大限の応援を受けることができた。

 1区は前回と違って候補自ら街宣車に乗って各地で有権者と心のつながりをつくり、大きく票を伸ばせた。2区も区割り変更以降、候補が努力を続け、地域に入って信頼を勝ち取る活動を続けてきた結果が表れたと思う。

 県連の今後の動向は中央政界での議論と並行して進むことになると思うが、民進出身者が連携を取っていける形で考えていきたい。

■公明 中本正一県本部代表 新党に埋没比例惨敗

 前回の衆院選で初めて九州比例で4議席目を獲得したことから、その4議席死守、県内で5万8千票を目標に掲げた。結果は九州比例で3議席、4万9279票。小選挙区比例代表制になって以降で最も少ない得票数にとどまり、惨敗だった。佐賀1区では立憲民主党、2区では希望の党とそれぞれ新党に票が流れ、埋没してしまった。

 自民党県連と協力協定を結び、相互協力関係は成熟化した。しかし、衆院選の1週間前が県都・佐賀市での議員選挙で、切り替えがうまくいかず、浸透し切れなかった。全体に目を向ければ、与党で憲法改正の発議に必要な議席を上回った。国会の憲法審査会を通じて議論を深めること、合意形成に努力したい。

■共産 今田真人県委員長 希望、市民と野党分断

 今回の総選挙は安倍政権打倒が最大の目標。そのためにこの2年間、安保法制反対や立憲主義という立場で市民と野党が共同する新しい政治のスタイルができていた。しかし、希望の党が立ち上がり、市民と野党の分断を狙ってきた。

 ただ、希望へ合流予定だった民進党議員がその本質を見抜き、1区の原口氏をはじめ自らの退路を断つ形で無所属で立候補した。わが党としても即断し、候補者1本化に努力した。2区でも大森氏が徹底的に安倍政権が県民にどんな害悪をもたらしたかを知らせた。

 県内比例は4万6千票を掲げたが、1万7千票にとどまった。14年衆院選、16年参院選と2万を超え、増加傾向だっただけに早急な分析と対策が必要だ。

■社民 徳光清孝県連幹事長 リベラル分散が影響

 九州の比例が公示前の2議席にとどまったのは残念で力不足だった。国民生活と平和を脅かし続ける安倍政権を止めるという訴えが新党と重なり、リベラル勢力の受け皿が分散したことも影響した。今後は県民の目に見える活動を強め、自治体議員を増やしたい。

 県内では2万5千票を目指したが結果は1万3千。ただ、前回を約2千票上回り、玄海原発再稼働反対や佐賀空港へのオスプレイ配備撤回などの訴えが、県民の共感を得たと思う。

 一方、小選挙区では応援した2人が当選した。佐賀県民は安倍政権に「ノー」を突きつけたことになり、日本の大きな政治変革と言える。選挙後に大きく政界が動く可能性もあり、他党とも連携し、奮闘したい。

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