聞こえの支援充実を呼び掛けた中石真一路さん=佐賀市白山の県聴覚障害者サポートセンター

 県聴覚障害者サポートセンターは20日、難聴など「聞こえ」に関するセミナーを開いた。難聴者の会話を支援するスピーカー「comuoon(コミューン)」を開発した中石真一路さんが、難聴や認知症においての音声コミュニケーションの重要性を話した。

 中石さんは、病院や車の高齢者講習などで聞こえの支援が少ないことを挙げ、「補聴器をつけずに認知症テストをしていることもある。聞こえにくくて反応がないと、認知症と診断してしまっている。スピーカーを導入するなど支援の充実を」と指摘した。

 明瞭な音声を入れ続けると、脳が活発に動き、聴力が改善する事例があることも説明。「ぼやけた音をそのまま大きくしても、言葉として認識できない。明瞭さが大切」「聞こえにくいまま音を遮断してしまうと、より難聴や認知症が進行してしまう」と強調し、「会話や音楽などクリアな音声を入れ続けて、日々の暮らしを楽しんで」と呼び掛けた。

 講演会には47人が参加。音成宏美さん(39)は「今まで難聴は進行していく一方だと思っていた。クリアな音を入れるだけで進行を止められることに驚き、もっと脳の仕組みを知りたくなった」と話していた。

 中石さんは広島大学大学院などの研究員として音による聴覚リハビリテーションの研究に取り組み、コミューンを開発・販売する「ユニバーサル・サウンドデザイン」(本社・東京)の代表。同社は吉野ヶ里町に研究拠点を置いている。

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