日本が元気だった時代の顔とも言えるだろう。故・田中角栄元首相が、理想の子どもの数を「3人がいい」と語っている。「ひとりでもふたりでも、親のひざを独占できる。しかし、3人になれば競争が始まる」(『田中角栄 100の言葉』宝島社)◆競争社会をどう生き抜くか、その教育論には角栄流の人生観がにじむ。「子どもには教育、学問だけをミッチリ仕込めばいい。親が残した必要以上の財産は、だいたい子どもをダメにする」。当時は第2次ベビーブームで、人口増に頭を悩ませていた時代である◆今や、様相は一変した。2016年生まれの子どもは、1899(明治32)年の調査開始以来、初めて100万人を割り込んだ。出生率は1・44人と、2年ぶりに落ち込み、角栄が理想とした3人をも下回る◆人口は10年連続の自然減で、今回の衆院選の争点にも少子化対策があがっていた。各党の公約をあらためて引っ張り出すと「保育・教育の無償化」「教育費負担の軽減」「子どもを育てられる社会」「貧困の連鎖を断つための教育生活支援」…。どれが与党でどれが野党か見わけがつかぬ◆目指す方向が同じなら話は早い。「できることはやる。できないことはやらない。しかし、すべての責任はこのワシが負う。以上」と角栄節。あとは人間ブルドーザー並みの突破力か。(史)

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