政府は12日、国家戦略特区諮問会議を開き、特区を活用して農業分野で外国人労働者を受け入れることを決めた。母国の大学で農学部を卒業するなど専門知識を持ち、日本語による意思疎通が一定程度できることを条件とする。雇用主には日本人と同等以上の報酬を支払うことを義務付ける。来年の通常国会で特区法の改正を目指す。

 日本の農業現場では今も途上国の人材育成を目的とした「外国人技能実習制度」を使って働く人がいる。今回はこれとは別に、入管難民法の特例を適用して主にアジアの国々から担い手を募り、農業分野で深刻な人手不足の解消につなげる。

 秋田県大潟村と茨城、愛知、長崎の3県が特区での受け入れを提案しており、政府は外国人の就労を認める場所や受け入れ期間、雇用形態といった詳細を今後詰める。

 専門技術などを条件とするのは、受け入れ先でのトラブルを減らすとともに、外国人労働者を劣悪な条件で働かせるといった問題事例を防ぐ狙いがある。

 この日の諮問会議では受け入れに際し、外国人の人権や日本人の労働条件に与える影響に十分配慮する方針を確認した。国などが定期的に雇用主を監査することで、適切な労働条件が確保されているかどうかを確認するとみられる。《共同》

=ズーム 外国人の農業就労=

 外国人の農業就労 政府は外国人が日本で単純労働に従事することを原則として認めず、外国人の農業現場での就労は現在、技能実習生に限って最長3年間の条件で受け入れている。技能実習では、途上国の人材に日本のノウハウを伝えるという本来の趣旨に反し、低賃金で長時間労働を強いる悪質なケースも指摘される。政府は今回、国家戦略特区で技能実習とは別の枠組みを設け、一定の専門知識を持つ外国人に農業就労の門戸を開くことにした。

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