衆院選の候補者の演説に耳を傾ける有権者=21日午後、唐津市

 22日に投開票される衆院選。12日間の選挙戦では、安倍政権への評価をはじめ、改憲や社会保障の在り方など、国のかたちを左右するテーマが争点になった。政策論争は十分に深まり、有権者の判断材料になったのか。公示日に論戦への期待や注文を語った佐賀県内の有権者に再び聞いた。

 6月に投票権を得た長瀬愛さん(18)=東明館高3年、鳥栖市=は「若者目線の論戦が少なかった」と残念がる。ただ、「農業の活性化など地域を元気にするための政策は聞けた」と振り返り、「公約を実現する力がある人、若い人の目線で物事を考えられる人」を見定め、1票を投じる。

 予備自衛官の40代男性は「あまり論戦を見聞きする機会はなく、盛り上がっている感じはない」としながら、「公約を見て、もう投票先は決めた」。注目していた「憲法への自衛隊明記」を前に進めてほしいという思いで「天気が悪くても投票所に行く」と話す。

 地方にも波及する経済政策を期待していたデジタルコンテンツ制作会社社長の天賀光広さん(40)=佐賀市=は「そうしたものは聞こえてこない。選挙で突然出てくる施策に有権者は躍らされている」と不満を漏らした。「与党ばかりが強いのはよくない。だからといって魅力的な政策を示す野党もない」と、まだ迷っている。

 2児の母で、子育て支援の充実を望んでいた杵島郡白石町の川崎尚美さん(36)は、消費税を増税した場合の使途変更に対する各党の主張をテレビで見た。「増税してほしくないけれど、『財源が必要だ』と話す政党もある。さらに分かりやすい説明があれば興味も増してくるのに」と消化不良気味だ。

 佐賀市内の高齢者福祉事業所で管理者を務める溝上剛さん(43)=武雄市=は、高齢者施策に関する各党の公約を見比べたが「新たな問題提起が少なく、がっかりした。これだけ介護士不足といわれているのに」と物足りなさを口にする。それでも「私たちの代表として一緒に怒ったり悲しんだり、考えたりするような人を選びたい」と、託す先を見定めようとしている。

 原発再稼働に関し、代替案など踏み込んだ議論を期待していた東松浦郡玄海町の農業の20代男性は、低調な論戦に肩すかしを食った格好だ。「原発に触れるのは面倒くさいと思っているのでは」と皮肉りつつ、「1次産業をもり立ててくれる人を選びたい」と前を見つめた。

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