猟友会のメンバーから猟銃についての説明を受ける来場者=武雄市北方公民館

農作物被害の現状を示し、狩猟の意義などについて語り合う若手ハンターたち=武雄市北方公民館

 イノシシなどの野生鳥獣の数を適正に抑制、管理するハンターの確保が佐賀県内でも課題になっている。狩猟への関心を高めてもらおうと15日に県内で初めて開かれたフォーラムでは、農作物が食い荒らされる深刻な鳥獣被害が報告される中、若手ハンターたちが狩猟の意義や魅力について活発に議論した。

 

 県内の狩猟免許所持者は延べ1657人(2016年度)で、11年度から280人減少した。ワナは千人~1100人程度で推移しているものの、銃による狩猟免許所持者の減少が特に顕著という。高齢化も深刻で、60歳以上が全体の68%を占めている。

 県内の農作物被害額は減少傾向とはいえ、年間約1億円を超えており、イノシシ被害が約6割を占める。1980年頃の生息域は脊振山系や多良山系の一部だけだったが、農家の減少で山が荒れ、耕作放棄地も増えたことなどから県内全市町に拡大している。

 若手ハンターによる座談会ではこうした現状を踏まえ、自営業者や農家、森林組合職員など8人が意見を交わした。

 ミカン農家の女性は「自衛が目的」と狩猟免許を取得した理由を語り、「収穫前に一晩でイノシシに全滅させられた」。別の男性は「殺すのはかわいそうだが、誰も捕る人がいなかったら壊滅的な被害になる」と話した。「何十年と続いてきた狩猟技術の継承が大事」といった意見も出た。

 会場には、免許取得相談や射撃の模擬体験、ジビエ料理のブースも設けられ、主催した環境省の担当者は「狩猟の魅力と社会的な役割を改めて見直し、狩猟者となるきっかけを提供できれば」と話した。

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