ヤマノイモ

 山野に自然に生えることから自然生(じねんじょう)と呼ばれるヤマノイモ。その根は古くから体に良いことで知られ、秋になると人々は山へ探しに行ったとか。

 このヤマノイモや野菜として栽培されるナガイモの根の皮を除いて乾燥させたものを生薬の山薬(さんやく)と言います。中国最古の薬物書「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」では、“弱った体に元気を補い、病気のもとを取り去って内臓の機能をよくする。ずっと服用することで目や耳がよくなり、寿命を延ばすことができる”と紹介されており、現代でも滋養強壮や疲労回復、頻尿や寝汗、胃腸不調などに効くとして、さまざまな症状に処方されます。何年、何十年という時をかけ、ヤマノイモの根は人の腕ほどに太く、背ほどに長く伸びることも。あの強い粘りと土の匂いに似た風味は、自然の中でゆっくりと育まれてきたという証しです。(中冨記念くすり博物館)

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