衆院選はあす投票日を迎える。自民、公明両党による連立政権を継続するかどうかが問われる選挙。今回は希望の党や立憲民主党といった新たな勢力も登場し、いつもより複雑な構図になっている。18、19歳の有権者にとっては政権の枠組みを決める初めての機会だ。結果次第で国の姿が変わる可能性があることを、あらためて肝に銘じたい。

 今回は、選挙直前の野党の再編があって、選挙戦も乱戦模様となっている。いつもより、判断に迷う人が多かろう。特に、選挙で勝つには、どの政党が有利かという数合わせばかりで、なかなか政策論争に入れなかった。各党の公約が出たのも公示直前で、十分に熟成されたとは言いがたい。

 とはいえ、選挙戦を通じて、さまざまな争点が示された。最大の争点は、安倍政権が続くことを是とするかどうかだろう。強引な国会運営などが内閣支持率の急落につながったが、アベノミクスへの評価、北朝鮮情勢を「国難」と訴えて突然、解散した手法も含め、吟味する必要がある。

 自民党は政権公約の重点項目に憲法改正を掲げた。この先の国の姿を問うものである。希望の党が改憲自体には前向きなこともあって、活発な論戦が期待されたが、各党の街頭演説では総じて訴えは控えめで、低調のようだ。選挙後のことを考えれば、ここでもっと語ってもらわないと、有権者は判断に困ってしまう。

 もう一つの大きな争点である消費税の問題も各党で違いがある。自民党は増税はするが、使途は借金返済に充てる予定だった一部を、教育無償化などに回すという。野党各党は凍結か反対だ。有権者には聞こえのいい公約が並ぶ。財政再建は待ったなしなのに、膨らむ借金への対応は十分なのか。そこも思案のしどころである。

 各党の公約を見ると、一部は賛成だが、反対の要素も含まれていると思う人が多いのではないか。有権者は自分の中で政策テーマに優先順位をつけて、より近いと思う政党に投票するしかない。

 また、選挙後の政党間の勢力変化を予測しながら考えてみることもできる。安倍政権が続いた方がいいのか、それは避けたいと思うのか。候補者本人の肉声は聞けなくても、新聞などのほかに、今はインターネットでも公約が見られる。昔よりは情報が集めやすい。

 佐賀に目を転じると、1、2区とも激戦模様だ。オスプレイ配備や原発再稼働など地域課題も含めて、論戦が展開されている。予断を許さないが、勝敗の行方は投票率が左右するかもしれない。

 これまでの衆院選を見ると、全国、佐賀とも、小選挙区の投票率は2回続けて過去最低を更新している。自分の1票が政治を変えると実感できれば、投票率は上がる傾向にある。自分たちの暮らしに直結するから、まずは意思表示をすることが大切である。

 18、19歳の有権者も、よく考えてほしい。日本は若者人口が減り続けているが、消費税のところでも触れたように、国の借金のつけは、将来世代に先送りされている。自分は関係ないと思っていても、社会に出れば政治の重みを感じる場面が必ず来るものだ。若者が政治に本気で関われば、政党はその世代を無視できなくなる。さあ、投票に行こう。(横尾章)

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