衆院選の期日前投票に訪れた人に、投票用紙を手渡す高校生=多久市役所

■就活、模試…多忙な時期

 

 18歳選挙権が導入されて初めてとなる衆院選の投開票日が22日に迫る中、佐賀県内では一部の市町選管が、高校生や10代に選挙への意識を高めてもらおうと、選挙事務への起用を試みている。ただ、10月は高校3年生にとって就職活動や大学入試模試、資格試験などが重なる多忙な時期。主権者教育に取り組む学校現場からは「生徒たちが選挙にまで関心を向けられるかどうか」との声も漏れる。

 

 多久高の1~3年生約80人は14日から22日まで、期日前を含む投票所での投票用紙交付を担当する。2012年の衆院選から生徒が選挙事務に携わっており、今回も多久市選管が協力を依頼した。多久高の安部泰生教諭(41)は「投票所という現場に身を置くことで、『おじいちゃん、おばあちゃんしか来ない。その人たちの意見で決まっているのかな』と話す子もいた。若者の政治離れを実感し、選挙に行くべきだと考え始めている」と効果を語る。

 鳥栖市や基山町は有権者になった18歳に投票を呼び掛けるはがきなどを送付、有田町は新たに18、19歳の14人に選挙の立会人を依頼した。佐賀市は佐賀大の2キャンパスに3日間、期日前投票所を開設した。 

 一方で急な総選挙となり、教育現場では21、22の両日に予定した模試などへの対応を余儀なくされている。佐賀市の弘学館高は投票時間確保のため一部を前倒しし、22日の午前中までで終わるように変えた。楢崎浩史校長は「日にちは動かしづらいが、時間は調整できる。選挙に行ける環境を整えるのが大事」と話す。

 武雄、白石高の関係者も「推薦入試などが多く実施される時期で、生徒たちはそちらに重きを置いている」「3年生にとって最後の定期考査もあり、余裕はない」と実情を語る。伊万里高も22日午後の学習会を取りやめた。

 佐賀大学教職大学院の平田淳教授(教育行政学)は「主権者教育は自分の身近なことが政治とつながっていると教えるのが肝心。日常的に行うことが重要で、選挙で慌てる必要はない」と指摘。その上で「期日前投票が最寄りの役所で夜8時までできるなどの情報を提供し、親に子どもと一緒に足を運ぶよう促すのも効果的では」と助言する。

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