蕨野棚田保存会の百武兵衛会長

稲刈り体験活動で記念撮影に収まる地元農家や佐賀大の学生ら=唐津市相知町の蕨野の棚田

地元農家や企業、佐賀大学と協力して開いた稲刈り体験活動の様子=唐津市相知町の蕨野の棚田

 唐津市相知町の蕨野集落が、総務省など主催の「過疎地域自立活性化優良事例表彰」で総務大臣賞に選ばれた。集落は棚田を通して地域活性化に取り組んでおり、17年続く生産者と消費者の交流イベントや、民間企業と大学を巻き込んだ稲刈り体験教室などが評価された。

 棚田は、八幡岳北の麓に約700枚(36ヘクタール)が連なっている。固有の石積み技術が使われ、2008年には棚田単体で初めて国の重要文化的景観に選ばれた。農家約40世帯が、現在も米を作っている。

 「他地域と比べて耕作放棄地が少ない」と胸を張るのは、蕨野棚田保存会の百武兵衛(ひょうえ)会長(67)。最近は観光客が増え、地元農家にも「みっともないとこは見せられん」との意識が根付き始めているという。

 地域には保存会の他にNPO法人やイベントの実行委員会など複数の組織があるが、百武さんは「それぞれが密に連携し、単独で動くことはない」と話す。地域ぐるみで臨むイベントは、生産者と消費者が顔を合わせる貴重な場で、「生まれた信頼関係は農作物の付加価値になっている」

 ただ取り組みが一定の成果を出す一方で、高齢化や跡継ぎ不足の根本的な解決には至っていない。「各組織のリーダーも見つけるのが難しい」と百武さん。「今の活動をこれからも続けられる仕組みづくりが必要」と話した

 蕨野集落は19日、佐賀市の文化会館である「全国過疎問題シンポジウム」で、表彰を受ける。

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