銀行マン時代をほうふつとさせるスーツ姿で、実刑判決の言い渡しを受けた。16日、福岡地裁の証言台に立った佐賀銀行元行員の吉田淳被告(43)。立場を悪用した犯罪は銀行の信用も傷つけ、一部の大口顧客が離れるなど大きな代償を払うことになった。

 約5千万円の窃盗、顧客からの着服-。被告の関与が次々と明るみに出る中、預金額1億円以上の顧客169人分の情報流出は銀行にとって、より深刻な意味を帯びた。佐賀銀行によると、流出判明後、顧客の解約や他行への移し替えは10数件に上り、総額は10億円を超えた。「情報は現金以上に重い。長年の歴史で育んできた信用の回復は地道にやっていくしかない」。職員は硬い表情で話す。

 再発防止には既に取り組んでいる。侵入対策として閉店後の行員の再入店や、私用の携帯電話の持ち込みを禁止した。情報流出を防ぐ手だてとしては、顧客情報を検索できる権限を一部の行員に限るなどした。

 「お客様の信頼回復に向けて、役職員一同、全力を挙げて努めて参ります」-。一連の不祥事を行員一人一人に深く刻むように、判決後のコメントは頭取名義ではなく、「佐賀銀行」として出した。

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