政治への関心を高めてもらおうと、登校時に校門付近に立って奨学金など身近な話題から話をする立候補予定者=10月3日、杵島郡大町町の杵島商業高

 18歳選挙権導入後、初となる衆院選で、佐賀1、2区の候補者の陣営は、若い有権者へのアピールに試行錯誤している。SNS(会員制交流サイト)発信を工夫したり、高校生との直接対話の場をつくったり。激戦を勝ち抜くために若者の1票を取り込もうと腐心している。 

 

 ツイッターのフォロワー(読者)が27万人に上る1区の民進出身原口一博候補(58)は、無所属での出馬をSNSで表明した。つじ立ちや演説会はスタッフがスマートフォンを本人に向け“生中継”で配信。ただ陣営は「ネットで見られるので演説会場に足を運ぶ人が減っている」とも。

 1区で激突する自民の岩田和親候補(44)の陣営は、これまでに意見交換をしてきた佐賀大の学生に、改めて支援を呼び掛けている。SNSも更新しているが、「相手陣営に比べて弱い分野」とし、内容の充実へ向け「怠りなくやっていく」と対抗する。

 幸福実現の中島徹候補(43)は選挙前から続けるつじ立ちで、学生らと言葉を交わすことを心掛けている。

 2区の自民古川康候補(59)は、昨夏から選挙区内23高校で登校時の“国政報告”を重ねている。給付型奨学金の実現など身近な話で政治の役割を伝えている。選挙戦では若者のネットチームがSNSで情報発信。陣営は「政見放送を含め、ストーリー性を持たせるなど工夫している」と若い感性を生かしている。

 希望の大串博志候補(52)は、応援サイト「ひろしチャンネル」を展開し、ファンの視点から運動の様子や大串候補の人となりを紹介している。陣営は「前回より活用の幅が広がり、アクセス数も伸びて反応がいい。候補のフットワークを生かしてネットとリアルを連動できれば」という。

 共産の大森斉候補(62)は愛犬に語らせるという手法で一日の出来事などをSNSで発信する。同党は若者向けのビラを県内1万人に郵送する準備も進めている。

 各陣営のSNS活用が目立つ一方で、「若者=インターネット」という安易な考え方では浸透は図れないとする専門家の声もある。

 昨夏の参院選で、10代の政治的関心などを電通パブリックリレーションズなどと共同調査した東京大学大学院情報学環の橋元良明教授(コミュニケーション論)は「若者のネット利用は『ライン』が大半で、身の回りのたわいのない話しばかり。政治的な話題はほとんどない」と分析する。その上で「街頭演説などの動画を流すだけでは駄目」と指摘し、万人向けのコンテンツではなく、標的を若者に絞る重要性を強調。「政治や政治家に対する興味関心が離れてしまっているので、引きつける仕掛けを」と助言した。

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