「歴代今右衛門が描く富士山を楽しんでもらえたら」と話す十四代今泉今右衛門さん=有田町の今右衛門古陶磁美術館

 葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」をモチーフにした十一代、十二代今右衛門の作品展が、有田町赤絵町の今右衛門古陶磁美術館で開かれている。「江戸日本橋」や「深川万年橋下」など、各地から見える富士山のさまざまな姿を描き、訪れる人を楽しませている。12月24日まで。

 展示しているのは、額皿やコーヒーカップと受け皿のセットなど36件と、浮世絵1点。皿やカップは昭和初期の作品とみられる。いずれも丸い皿の絵柄に合うように富士山の配置を変え、人物を大きく描くなど工夫を凝らしている。

 「深川万年橋下」は十一代2点と十二代1点を並べた。十一代の作品はほぼ同じ構図で、橋の色が青と赤に分かれる。十一代のデフォルメの妙と十二代の絵心を感じさせる展示となっている。

 大波の下に富士山を望む「神奈川沖浪裏」は北斎作品にない小鳥が飛び、大工仕事をする人を描く「遠江山中」は人物を大きく描くことで、より会話しているように見えるなど、「今右衛門風のアレンジ」が随所に見られる。

 色絵磁器の人間国宝(重要無形文化財保持者)で、展示を企画した現当主の十四代今泉今右衛門さんは「代表的な浮世絵作品を有田焼として仕上げている。古伊万里とも鍋島様式とも違う焼き物の魅力を感じてもらえたら」と話した。観覧料は一般500円、小中高校生無料。月曜休館。

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