最近は卵がずいぶん高くなった。1パック(10個入り)100円なんて特売品は、まず見当たらない。鍋物がおいしくなるこれからの季節は、さらに値が上がる。「価格の優等生」に、ちょっとした異変が起きているようだ◆海外でも日本産の卵を求める動きが強まり、香港などへの輸出が伸びている。欧州諸国や韓国で、使用が禁じられている殺虫剤「フィプロニル」がニワトリに使われていることが発覚した。汚染された卵が各国で見つかって、安全性が高い日本産卵の需要が一気に伸びている◆卵をめぐって大騒ぎだが、今年はとり年。株の世界には「申さる酉とり騒ぐ」という格言がある。さる年と、とり年は相場が荒れるとか。この格言、どうやら政治にも当てはまりそうだ。さる年の昨年は米国でトランプ大統領当選の番狂わせがあったし、とり年の今年は日本が突然の総選挙に入った◆安倍首相も年頭会見で、郵政選挙や55年体制の崩壊、沖縄返還の合意、戦後の始まった年を挙げて「とり年はしばしば、政治の大きな転換点となってきた」と。解散総選挙の腹積もりもあったのか◆欧米には「たまごを割らずにオムレツは作れない」という言い回しがある。勢いよく衆議院を割って、いったい何が出てくるか。シェフである有権者の1票1票で、オムレツの味つけはがらりと変わってくる。(史)

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