劇中歌「ホタル列車の唄(うた)」を歌う出演者=基山町民会館

■平和の尊さ訴え 80人5カ月の稽古成果

 大正から昭和初期にかけてホタルの名所として知られた基山町へ、博多駅から運行していたという「ホタル列車」を題材にした町民による創作劇が11日、基山町民会館で上演された。名所衰退の背景に戦争の影があったことを描き、平和の尊さを強調。来場した約1600人の観客からは、惜しみない拍手が送られた。

 物語の舞台は1935(昭和10)年の基山村。九州帝国大のゲンジボタル研究所があり、町内を流れる秋光川沿いが観光客でにぎわう一方、町内ではホタルの取り扱いを巡って保護派と商・観光業への活用推進派が対立していた。

 そんな中、国が戦争へとかじを切り、ホタルの生息する川の土手が軍事教練場に。研究所も閉鎖され、ホタル列車も姿を消した。選択の余地無くホタルという日常の風景が失われていくさまを熱のこもった演技で表現し、平和の尊さを訴えた。

 創作劇には子どもから大人まで約80人が参加し、約5カ月間稽古を重ねた。町内在住の音楽家・緒方寛子さんが作曲した劇中歌も物語に花を添えた。兄の遺志を継いでホタル保護に尽力する少年を演じた渡辺水翔(みなと)君(12)=若基小6年=は「お客さんの反応が良くて、とても楽しかった。ホタルの明かりに込めた平和への思いも伝わったと思う」と声を弾ませていた。

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