「佐賀果試35号」の実と断面(県提供)

無加温ハウスで栽培された「佐賀果試35号」(県提供)

■22年春デビュー目指す

 佐賀県は、県果樹試験場(小城市)で開発、育成した中晩柑の新品種「佐賀果試35号」を来年から県内のモデル園に導入する。糖度が高くて酸味も少なく、大玉生産が可能。デコポン(不知火(しらぬい))を超える高い品質で期待を集める。まずは無加温ハウスで栽培を開始し、2022年春の市場デビューを目指す。

 

 佐賀果試35号は、「西之香」と「太田ポンカン」を交配し、1996年度に作られた。選抜試験を重ねて15年8月に品種登録出願し、今年8月21日に登録された。

 1玉350~400グラムで、主力品種のデコポン(300~320グラム程度)より大きいのが特徴。糖度は12度以上で、クエン酸の含量も酸味を感じる目安となる1%を切っている。

 「じょう嚢(のう)」と呼ばれる果肉を包む袋(薄皮部分)が薄くてつぶつぶした食感があり、食味も良い。常温でも腐りにくく貯蔵性に優れ、1月中旬に果実が成熟してから4月ごろまで出荷が可能という。

 約2年かけて必要な苗木を準備し、来年3月から県内のビニールハウス11カ所(約1ヘクタール)で栽培を始める。結実には4年程度かかる見込みで、まずは実験の実績が豊富な無加温ハウスで栽培し、産地の意向を聞きながら順次面積を拡大する方針。露地栽培については、栽培技術が確立され次第、導入を図っていく。

 「サンプルの市場評価も良く、各方面からかなり期待されているので慎重に準備を進めている」と県園芸課。他県の改良品種との競争を見据え、「まずはモデル園で良質のものを作って評価を確立していきたい」と話す。(古川浩司)

 

 【写真】「佐賀果試35号」の実と断面(県提供)

 

 【写真】無加温ハウスで栽培された「佐賀果試35号」(県提供)

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