「廃屋2017-1」(100号、墨・アクリル、和紙)

油絵の具を仕上げに塗った「作品3」

油彩や墨絵などの新作を並べる下村康二さん=佐賀市本庄町の高伝寺前村岡屋ギャラリー

 神埼市の洋画家・下村康二さん(67)の新作展。近年取り組み続ける「廃屋シリーズ」や、緻密な描写の動物作品、落ち着いた風景画に円熟した作風がにじむ。

 崩れ落ちた廃屋に金色の空が映える。「廃屋シリーズ」では、毎年さまざま技法を取り入れる。今年は、和紙を貼り付けた背景に金色のアクリル絵の具を重ねた。「廃屋のイメージに金を使うのは勇気がいった」と下村さん。墨と金が調和した作品からは、静かな迫力が漂う。

 福岡市動物園のゾウ・はな子を描いた「ちらり横目」。クローズアップした構図で、生き生きとしたはな子の表情を切り取った。しわや長いまつげ描いた緻密なスケッチ力に魅せられる。

 陶芸作品の「作品3」は、焼いた後に油絵の具を塗り、つやを出す技法を思いついた。鉛筆や櫛など身近な素材を使って型をつけた作品からは、下村さんの思いつくまま作品を楽しむ姿勢が見える。

 下村さんは佐賀大特設美術科を卒業後、県内の高校で美術教師に。退職した現在は、佐賀美術協会の事務局長を務める。今回の新作展では陶芸作品を含め約130点を並べた。「これからは、いろいろな世界を組み合わせ、モンタージュした風景を描きたいとも思っている。まだまだ描きたいものはいろいろあり、次の個展に向かっていきたい」と意欲は尽きない。

 ▼佐賀市本庄町の高伝寺前村岡屋ギャラリー=電話0952(24)5556=で15日まで。

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