衆院選佐賀1、2区には6人が立候補した。公示直前まで選挙構図が固まらない異例の展開だったが、候補者はどのような思いを胸に選挙戦に臨んでいるのか。横顔を紹介する。(上から届け出順)


大森 斉氏(62)共産・新 のんびり争いごと苦手

 

 衆院選への出馬は2012年に続き2回目。「市民と野党の共闘を広げ、前回より多くの人と協力するスタンスで活動しているのが大きな変化」。反省を胸に再び挑む。
 スーツ袖から腕時計型端末がのぞき、アニメキャラの模様が入ったネクタイは「フリーマーケットアプリで買いました」と笑う。はやり物に目がない一方、「性格はのんびり。争いごとは苦手です」とはにかむ。
 大学時代に入党し、27歳の時に北茂安町議に初当選。5期20年間、地域を駆け回った。
 55歳の時、けがをした母の介護をしながら、家計も支えるためにディスカウント店のパート従業員として働いた。低賃金で働く非正規労働者と、長時間労働に悩む正社員の現状を目の当たりに。「政治家としてエリートではないが、その分苦しい立場の人の気持ちは誰よりも分かる」と自負する。
 国家公務員だった父に連れられ、子どものころは転勤族だった。高校時代を広島県で過ごし「戦争反対の気持ちは強い」。オスプレイ配備や憲法改正に反対する。国策で負担を強いられる人のために声を上げる。

 ■おおもり・ひとし 佐賀大学農学部卒。1983年に北茂安町(現みやき町)町議を5期務めた。趣味はカラオケ。EXILEの曲が好きで「ATSUSHIがライバル」。妻と2女。三養基郡みやき町。

 

大串 博志氏(52)希望・前 派手さはないが実力派

 

 国政の表舞台に登場する頻度が増えた。国会で安倍首相に鋭い質問を浴びせたり、討論番組で政策通ぶりを発揮したり。官僚から政治家に転身して12年。地道に経験と実績を重ね、政界での存在感を高めている。
 民進党で党三役の政調会長を務めたことが大きな自信になった。「野党第1党をどう動かすかという視点を持つことは、政治全体をどう動かすかを考えることに等しかった。日本の政治を引っ張る立場になるための糧になった」
 政治全体を俯瞰(ふかん)するようになりながらも、地域と向き合う目線の高さは変わらない。超多忙になっても「電話一本で大串博志」の看板は下ろさず、週末にテレビの収録を挟んで東京-佐賀間を2往復することも。「有権者の声に触れ続けていれば、国会での発言と世論が懸け離れることはない」
 心身の健康を保つためにやっていることが二つある。ランニングと「お笑い」。寝る前に録画した番組を見てひと笑いし、頭と心をリフレッシュする。好きな芸人はオール阪神・巨人とナイツ。派手さはないが誰もが一目置く実力派というところが、本人と重なる。

 ■おおぐし・ひろし 東京大法学部卒。1989年に旧大蔵省入り。2005年の衆院選で初当選。先日、空港の人から「日本で一番飛行機に乗ってる国会議員かも」と言われた。妻と1男1女。小城市三日月町。

 

古川 康氏(59)自民・前 新し物好き仕事厳しく

 

 前回、知事を辞職して出馬、初当選した。「知事と国会議員は忙しさの質も量も全く違った。議員は人の話を聞くことが大切。動き続けるしかない。議員になって地球を半周しているぐらいの印象」と笑う。
 東京中心に動く世の中に疑問を感じ「地方を元気にすることを一生の仕事に」と自治省へ。新人6人の激戦を制して当時全国最年少の44歳で知事になった。11年余りの知事経験から「地域の思いを国に届ける」と国会を目指した。
 「新し物好きで、仕事に厳しい」と自己分析。リオ五輪とパラリンピックのメダリストの合同パレードを実現し、自動運転の全国普及や発達障害対応にも力を注ぐ。陳情への対応は丁寧で緻密。立ち話は忘れないようボイスメモに吹き込み、内容をまとめるファイルは「対応状況-課題-結果」と進展具合が分かるように整理されている。
 2年前、妻こさとさん(64)が脳腫瘍の手術をした。右半身が不自由で、言葉は出せないが理解はできるという妻を、娘たちと支えながら激務をこなしている。音楽と登山が好きで、宝塚ファン。たまには息抜きしたいが、「休日がないんですよ」

 ■ふるかわ・やすし 東京大法学部卒。1982年に自治省(現総務省)入り。2003年の佐賀県知事選で初当選。3期目途中の14年に衆院選出馬、当選した。髪を切る時がホッとする。妻と3女。唐津市南城内。

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