企業の現状と課題をテーマにした分科会。企業の担当者が人権啓発の取り組みを紹介した=佐賀市の佐賀県教育会館

 人権確立に向けた企業の現状と課題をテーマにした分科会では、企業による人権啓発の活動が報告された。自主性を高める工夫が示された一方、企業の取り組みの課題も指摘された。

 黒崎播磨(北九州市)で人事を担当する山本康広さんは、八幡地区の企業で「同和問題研修推進委員会」をつくり、新入社員研修会やフィールドワークを実施している事例を報告した。市内の別の4地区とも連携し、「委員会方式は自主的な活動につながりやすい」と話し、会社単独で取り組むよりも活動に広がりが出るという効果を示した。

 一方で、業務の忙しさに伴う研修時間の確保の難しさなどを「壁」と捉えた。

 会場の企業の担当者からも、自治体で人権に関する研修を受けても、社内での研修には「時間がない」と消極的になってしまう傾向が課題として指摘された。

 NTT西日本大分支店(大分市)の迫一洋さんは、全社員を対象にした集合研修やインターネットを活用した研修の事例を取り上げ、「マンネリ化を打破するために講話も取り入れている」と強調した。

 基調報告では山九(北九州市)で人権啓発を担当する原田憲正さんが、悪質な部落差別事件が増え、就職差別が後を絶たない現状に触れた。「人権上の不祥事を起こすと会社の信用は失墜する。部落問題の教育・啓発は、企業が持続的に発展する原動力になる」と訴えた。

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