がん研究や、近代日本医学で佐賀藩が果たした役割について語った東大大学院の宮園浩平教授=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

 がんの研究で世界的に知られる東京大大学院医学系研究科の宮園浩平教授(61)=鹿島市出身=が9日、佐賀市内で講演した。自身の取り組みや、基礎的な研究の意義を伝え、「成果を皆さんに還元できるよう努力したい」と述べた。

 宮園教授は、30年以上手掛けてきたがんをつくる遺伝子と抑制する遺伝子の機能解明を目指したタンパク質「TGF-β(ベータ)」研究について解説した。シグナルを出すTGF-βには二面性の役割があり、横からいろんな信号が入ることで本来がんにブレーキをかけていたのが、アクセルをかけるようになるという。がん転移にも関係し、「将来いい薬をつくり、転移を防ぐような研究を続けている」と報告した。

 佐賀藩が医学の近代化に果たした役割も紹介。種痘の普及に努め、東大医学部のルーツとなった「西洋医学所」を創設した伊東玄朴や、明治期にドイツ医学の採用に尽力した相良知安を挙げ、「二人の業績が発端となって医学の発展が今に続いている」と語った。スウェーデンでの留学経験や、肺がんの最新治療についても話が及んだ。

 講演は公益社団法人「全国学習塾協会」主催の「塾の日シンポジウム」で実施。約320人が聴講した。

 宮園教授は10日には佐賀新聞社を訪れ、2011年から務める医学系研究科長・医学部長の立場から「大学の医学部は実習を重視する国際認証への対応を進めており、医学教育がますます重要になってきている」と話した。

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